胎位異常、横位に遭遇
- 産科
胎位異常、横位に遭遇
おなかの中で赤ちゃんは頭を下にしている状態を「頭位」といい、
逆に頭を上にしている状態を「骨盤位(逆子)」と呼びます。
また、胎児の頭が横を向いている状態を「横位」といいます。
子宮内は羊水で満たされているため、妊娠28週ごろまでは活発に動き回り、
さまざまな体勢を取っているので、妊娠中期では約50%が逆子といわれています。
妊娠中期以降は、徐々に頭位になっていくことが多く、
妊娠後期になっても骨盤位や横位のままのことがあり、
妊娠末期では、骨盤位が約5%、横位が0.3%です。
分娩にリスクを伴うことがあるため、多くの場合は帝王切開になります。
先日、医者になって初めて手術中に、横位に遭遇しました。
前回の出産が帝王切開だったので、予定帝王切開施工しました。
手術の数日前に超音波検査し、頭位を確認していますし、
数時間前でも頭位だったのですが、
開腹したところ、子宮下部が柔らかく、硬い児頭や臀部がないのに気づきました。
まさかと思いましたが、横位。
子宮内に手を入れ、母体の左下にあった児の臀部を子宮の切開部に誘導し、
助手に母体の腹部を圧迫させ、
臀部を娩出した後、上肢・肩甲・児頭を無事娩出しました。