出生時の臍帯結紮を遅らせると小児期の運動技能向上
- 産科
臍帯結紮を遅らせると児の発達が向上、
微細運動や社会的技能に優れる。
日本では、出産時のご主人の立ち会いはほぼ恒例化し、
夫婦が産みの苦痛と喜びを共有していただき、
赤ちゃんがお母さんのお腹の上で抱っこされている時に、
ご主人に臍帯(へその緒)を臍帯剪刀で切っていただいている施設が多いと思います。
このお二人の分娩後に、臍帯結紮を数分待つことで、
4歳になった時、この小児の微細運動技能および社会的技能が向上することが、
スウェーデンの研究で示されました。
臍帯結紮を数分遅らせると胎盤から新生児への胎児血液の流れが持続し、
へその緒から赤ちゃんに100ml位血液が増加すると言われ、
鉄濃度が向上することで、それにより生後4~6カ月までの鉄濃度が
向上して発達上の問題を予防できると言います。
小児の知能には差がみられませんが、
臍帯結紮を遅らせた群は微細運動技能(鉛筆を持つなど)が高く、
社会的技能にも優れる傾向がみられたと言います。
特に男児では便益が大きく、
その理由は男児のほうが鉄欠乏症になりやすいためだと考えられています。
これから、分娩時の臍帯結紮を遅らす施設が増えると思いますよ。