妊娠中のリンゴ病
- 産科
妊娠中のりんご病
2週間程前の妊婦健診時、学校でりんご病が流行っていると
妊婦さんが言われていたので。
りんご病(伝染性紅斑)について一言。
りんご病は、両頬に境界鮮明な紅斑と
四肢の網目状の紅斑を呈する予後良好なウイルス性(パルボウイルス:HPV-B19)の急性感染症。
集団生活を送る園児から小学生に好発することが多いです。
健康な子供が感染すると、約1週間後に発熱・咽頭痛などの風邪症状に、
顔の紅斑は感染後2週間位に出現します。
かゆみがある場合には、抗ヒスタモン剤の投与でほぼ簡単に治癒し、一度罹患すると、
終生免疫が得られ再感染はしません。
比較的気軽な疾患です。
しかし、家庭内にりんご病患者が居る妊婦さんの場合には、約50%が感染すると言われています。
胎盤経由で感染した胎児の一部は貧血、胎児心不全、そして胎児水腫を示し重篤になる場合もある。
HPV-B19が感染力が強いのは、発熱の時で、紅斑出現時には低くなっていますので、
お子さんの顔に紅斑が出た時には、もう感染している可能性が高いと思われます。
ご心配なら外来受診していただき、HPV-B19の抗体価を測ったらいいし、
もし陽性なら、胎児貧血等をチェックしていきます。
昨年、母体がりんご病に感染されまして、ひどい胎児水腫になられた妊婦さんがおられましたが、
妊娠後期には胎児から水腫が消え、無事に健康な赤ちゃんを出産された方がおられました。